収差について

レーシックを行うと、角膜へのレーザ照射の結果高次収差が発生します。

ここではまず収差について説明してみたいと思います。

下記から一部抜粋します。

http://ilasik.hlt21.net/020/post_40.html

<収差、低次収差、高次収差とは?>

光には様々な波長を持った光線が存在しています。
これらの光線がレンズを通過して一点(焦点)に集まり像として認識できます。
しかし、光線がレンズを通過する祭にレンズ表面に凹凸があったり厚さに違いがあった場合には、光線の波長や通過する位置や角度の違いによって光線が集まる位置、つまり焦点がずれます。この光線の焦点がずれる現象のことを「収差」と呼んでいます。
収差
人の眼では、眼球表面の角膜や内部にある水晶体にさまざまなレベルの歪みが存在すると、眼から入ってきた光線は網膜上の1点で像を結ばなくなります。これが「収差」です。
この収差には低次収差と高次収差があります。
→低次収差とは、「メガネやコンタクトレンズで矯正できるレベルの角膜の歪み」を差す。
→高次収差とは、「メガネやコンタクトレンズで矯正できないほど微細なレベルの角膜の歪み」を差す。

これらの収差の原因は、角膜や水晶体の厚さや形状によって生じますが、レーシックやイントラレーシックでは角膜のみに矯正を行なうため、レーシックやイントラレーシックにおける収差とは、一般的に角膜による歪みのことを言います。

低次収差は、メガネやコンタクトレンズで矯正できますが、非常に微細な高次収差はレーシックやイントラレーシックでしか矯正できません。

<収差の種類について>
収差にはレンズが球面であるために生じる球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差、像面湾曲がありますが、レーシックで問題されているのは主に球面収差コマ収差と言われています。
球面収差 (spherical aberration)  : 光軸から離れた光線ほど手前に焦点を結ぶ。

球面収差とは、球面であるレンズの外側から入ってくる光の焦点位置とレンズの中心から入ってくる光の焦点位置が異なることから起こる収差のことを言います。
大口径レンズになるほどその傾向が大きくなり、人では瞳孔の大きい人に関係があります。
つまり球面収差はハロやフレアの原因となりやすくなります。
コマ収差 (comatic aberration)  : 軸に対して非対称な収差の代表的なもので、コマ(彗星)のように尾を引く像を示す。

コマ収差とは、レンズ中心部が作る像の大きさとレンズの周辺部が作る像の大きさが異なることから起こる収差のことです。
つまり像の中心方向あるいはその逆の方向に尾を引いたようになります。
コマとはラテン語で彗星もしくは流れ星と言う意味で、この収差があると像が彗星や流れ星のように尾を引いた状態に見えることからコマ収差と呼ばれています。

 

角膜の構造とレーシックへの適応

角膜構造

角膜は全体(中心部)で約0.5 mm の厚さをもっています。

日本人の平均は約520μmm (0.52mm)ですので適応検査でこの数値から大きく乖離している場合は注意が必要です。逆に厚みがたっぷりとある場合は複数回の手術が可能な場合が多いでしょう。

レーシックでは別エントリで紹介したとおり角膜実質層にレーザを照射して屈折率を調整します。

角膜内皮層という部分に角膜の内皮細胞があり、角膜内皮細胞は房水を押し戻し角膜が透明な状態を維持する役割を担っています。コンタクトレンズをしていると角膜内皮細胞の数が減るのが裸眼状態と比べて早くなるため、コンタクトレンズの使用可能年数は一般に25年程度と言われます。内皮細胞数2000/mm2がコンタクトができる限度といわれています。

角膜内皮細胞は出生直後には5000個/mm2 程度あり、成人で3000~3500個/mm2程度、 60歳以上であれば2500個/mm2 ぐらいで年齢とともに減少し、二度と再生しない細胞です。

角膜内皮細胞の数が極端に減少すると角膜水泡症となり、角膜が濁り正常な視界を維持できなくなります。

ごく初期のうちは、濃度の濃い生理食塩水の点眼や眼軟膏(がんなんこう)で角膜中の水分を吸い取ることによって、少し視力がよくなりますが、根本的な治療ではなく、
根本治療には、角膜移植が必要になるということです。

適応検査で内皮細胞の数についても知る事ができますので、事前に上記の数値と大きく乖離していないか確認することが重要だと思われます。また、誤差が大きくでやすい検査のため標準値より下にでてしまった場合は数カ所で検査を受けられた方が良いでしょう。

この内皮細胞数が少ない方はフェイキックIOLの前房型の施術は向かないと言われています。

適応検査

初めに多くのクリニックにて適応検査は無料で提供しています。

  • 一生の付き合う眼のことですから労力を惜しまずできれば3カ所以上のところで意見を聞きましょう。
  • 自分の検査データについてもらいましょう。
  • そのうえでインフォームドコンセントをきちんと受けましょう。

その際に重要となる指標として下記のものがあります。

  • 術前角膜厚
  • 切除量
  • 予想術後残角膜厚
  • 暗所瞳孔径
  • レーザーの照射径
  • Optical Zone/Transition Zone
  • 収差予測

ポイント

1. 術後角膜厚

術後残角膜厚(角膜ベッド)はクリニックによって異なりますが、280μmm 以上残すのが日本国内では一般的です。国際的な基準としては250μmmが最低ラインとなっています。一度目の手術で300μmmをきってしまうような状況では、近視戻り具合によっては再手術がそもそもレーシックに向いていない(リスクが通常より高い)という事がいえるでしょう。また統計上280μmmを切るとコントラスト感度が低下するという事が判明しています。

術前の日本人の平均角膜厚は約520μmmです。この数値から大きく乖離している場合は注意が必要です。また計り方によって変動しますので(中心部の方が薄く周辺部の方が厚い)、大きく乖離した場合は複数の場所で測定してもらうのが良いでしょう。

ここから切除量(通常 15μmm × 近視度D)を計算しますので -4D 中程度近視の場合

520 - 15 × 4 = 460 μmmとなり十分な角膜厚が残ります 。

 

2.暗所瞳孔径 

日本人の平均暗所瞳孔径は6.5mmですが、測定の結果は1mm程度の誤差が生じてしまうというのが現在の赤外線形式での測定の限界のようです。暗所瞳孔径とレーザーの照射径OZ/TZと見え方の質(特に暗所)は相関がありますのでしっかりとインフォームドコンセントを受けましょう。 瞳孔径よりも照射径が1mm以上小さいと暗所視力の低下が顕著に出る事があります。

3.切除量

平均して通常のイントラレーシックで1D当たり15μmm程度切除します。ティッシューセービングレーシック等で照射径を小さく絞った場合12μmm程度になります。

4.収差予測

収差については別途詳しく説明するつもりですが低次収差と高次収差があり、眼鏡やコンタクトで矯正できるのが低次収差、それらでは修正できないのが高次収差となります。一般に切除量が多く残角膜厚が少ない人ほど収差が大きくなり、コントラスト感度が低下し見え方の質が低下する傾向にあります。