元医師 スターヘッジファンドマネジャーから見たレーシック

元医師 スターヘッジファンドマネジャーから見たレーシック

昨日のエントリ ”最近読んだ本&雑誌” の中で

を紹介しましたがその中のレーシックに対して否定的な一文というのがこちら、因にこの主人公のひとり、ウォールストリートの所謂業界連中が全く持って予見できなかった、サブプライムローンの崩壊からの金融危機を予見していたヘッジファンドマネジャー マイケルバーリは元医師です。

”生死を争う状況にある時でさえ、医師も、看護師も、患者も全員が悪しき動機に従って行動するようなところがあった”

”例えば、虫垂切除術の補償率が高い病院では、外科医がよその病院より多くの虫垂を切除した。また眼科手術の進歩も、好例を提供してくれる。1990年代、眼科医たちは白内障治療の手術を行う事でキャリアを築きあげた。せいぜい30分ほどの施術時間でも、メディケア(訳注:65歳以上の高齢者を対象とする医療健康保険制度)から、一回につき1700ドルの補償金が支払われた。90年代後半、メディケアが一回の施術あたりの補償基準を450ドル前後まで削減したせいで、手術に熱心な眼科医の収入が減ってしまった。アメリカじゅうの眼科医が、効果が曖昧で危険度の高い放射状角膜切開という施術法をふたたびひっぱりだし、その技術を使った軽度視力障害の矯正手術が大流行する。研究の余地が残されたその施術法は、コンタクトレンズ使用者の悩みを解消する手立てとして売り出された。バーリは言う。「現実的にいうと、眼科医たちの動機は、しばしば百万から二〇〇万ドルに及ぶ高収入を維持することであり、それに沿って行為が正当化されました。医療業界は放射状角膜切開より危険度の低いものを見つけようと躍起になり、その結果生み出されたのが、レーザー近視矯正手術、つまりレーシックです」”

原文まま、システムの動機付けの仕方によっていかに市場や人間が暴走しうるかをレーシックの例を用いて説明しています。なのでバーリは自分自身に適正な動機付けをするために、預かり資産の2%(典型的なヘッジファンドマネジャーの手数料報酬)を請求せず、投資家たちに実際の経費(預かり資産の1%を大きく下回る)しか請求しなかったということです。

勿論 このレーシックに関する否定的意見は元医師とはいえバーリの個人的一意見にすぎません。

因に彼がサブプライムローンの問題についてマーケット崩壊について確信を持ちショート(空売り)を初めて損失を出し始めた時、投資家(専門家)たちは執拗に反対し、資金の引き上げも含めてバーリに打診しています。

今回のレーシックについては、どのような結果になるでしょうか。レーシックの危険性が広く認められた場合、その時のレーシックを推進していた専門家達、経営陣のその後は、金融危機時の金融機関エグゼクティブ達のその後(退職金をたっぷり貰っておとがめ無し)とは違うものになってもらいたいものです。

医療業界においてこそはアップサイドオンリーの、モラルハザード(儲かった時には自分のもので、困った時には税金で救済)という形は許してはいけないと思います。当たり前ですが不可逆な事が金融とは違い多過ぎるためです。

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