レーシック訴訟

裁判所

レーシック訴訟

日本では先のエントリ レーシック難民と訴訟やくろねこさんの なぜレーシック後遺症患者が訴訟を躊躇するのか、の私的考察 (1) @ Level 3.5  で紹介したとおり患者側にとって圧倒的に不利と言われる事の多いレーシック訴訟ですが、米国での例を見ると個人的には業界に自浄作用を促す判決が出ているようなので、ここでご紹介。

こちらのTODD J Krouner法律事務所のウェブでレーシック訴訟についての挑戦と問題 という内容から抜粋、意訳です。

LASIK Eye Surgery: Litigation Challenges and Issues

n July 2005, a Manhattan jury awarded an investment banker $7.25 million in Schiffer v. Speaker, where the author represented the plaintiff. The doctor was found negligent in screening the patient, who had pre-operative FFK.

2005年7月 マンハッタンの陪審員は投資銀行員 Schnifferさんに$7.5M(円換算$1=100円で7億5000万円)の損害賠償金を得る評決を下した。医師は術前の角膜拡張症を持った患者をスクリーニングする件においてネグリジェント(注意義務違反)したことが認められた。

Prior to the Schiffer case, a pilot was awarded $3.4 million for post-LASIK visual complaints. Post v. University Physicians, Inc., 2002 WL 32832041 (Ariz. Super. 2002).

Schifferさんの訴訟より前に、パイロットが$3.4M (円換算$1=100円で 3億4000万円)を損害賠償で得た。(これはおそらく先のエントリでご紹介したユナイテッド航空のパイロットの件と推測しています。)

Multimillion-dollar verdicts have made LASIK surgeons less aggressive in operating on patients whose screening is suspicious for FFK. In 2005, in response to the Schiffer v. Speaker verdict, several ophthalmologists wrote and published an article in an attempt to reset the standard of care. Binder, P, Lindstrom, R, et al., “Keratoconus and Corneal Ectasia After LASIK,” Journal of Refractive Surgery, Nov/Dec 2005, p. 749.

数億円にのぼる損害賠償評決の結果 レーシック医師達はFFK(円錐角膜)の可能性がある患者へのオペについてそれまでより保守的になり、the Schiffer v. Speaker の評決(判決)の後、複数の眼科医たちが業界の治療標準の見直しを行おうと記事を発行した。“Keratoconus and Corneal Ectasia After LASIK,” Journal of Refractive Surgery, Nov/Dec 2005, p. 749.”

この判決の額 手術結果の重大性考慮すると妥当だなというのが個人的な感想です。そして何よりこういう判決が無謀なレーシックを行う抑止力になり、業界紙などで新たなガイドライン設定を試みる等自浄作用が働いているという点でとても意味のある判決だと思います。

日本でも医療裁判において裁判員裁判が導入されればかわるのかな。

説明義務違反の範疇になんでもかんでも押し込まれて、重大な後遺症背負わされて数十万円の賠償金とか全く納得が行くわけがない。
日本とアメリカで賠償額がここまで大きくかわってくるのは何故なんでしょうか? 詳しい方がいればコメントください。